私たちは時を生きている
画面に大きく描かれているのは、腕時計で時間を確認している瞬間の人、腕にはAE-1200WH-1がはめられています。テーマである「私たちは時を生きている」の中で、今正に腕時計で時間を確認している瞬間を切り抜いたこの作品ですが、その瞬間にも様々な場所でそれぞれの「時」が存在しています。
「時」の概念の中に散りばめられた時間の中で私たちは喜び、時に悲しみ、様々な感情を抱きながら暮らしているわけですが、そこにはいつも「時」が寄り添い、私たちはそれを「あの時は良かったね」との賞賛や「時が解決してくれるよ」と言った慰めの言葉など、知らず知らず「時」の存在を感じながら生きています。
時計は時間を確認する道具として使われますが、「時間を刻む」とは言わず、「時を刻む」と表現されます。それは行為としての時間の確認だけではなく、無限の「時」を切り取り、文字通り刻んでいるからです。時計はなくても「時」は刻まれ続けますが、それを視覚化してくれるのが時計です。「時」は見えませんが時間は見ることが出来ます。その結果、私たちは時間だけでなく「時」を意識することが出来るのです。
それを表現しているのが今作品で、時計を見た瞬間、正にその「時」を刻んだ瞬間の世界であり、それは明るく美しい世界です。生まれた場所や時代で各々背負うものは違いますが、「時」が全ての人に平等に与えられているように、その「時」もまた平等に幸せな時であるよう、願いを込めて制作しました。
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